中古車販売、車検で業界二位のネクステージ。
「うちはビッグモーターのようなことはない」とクリーンをアピールした矢先に週刊文春の文春砲によって、ビッグモーターと同じような不正行為が行われていることが報じられました。
それを受けて否定したのですが、一部事実を認め…と対応を一転させ、現在はおおむね報じられた内容のようなことはないとして幕引きへと進んでいます。
しかし、どうも「中古車販売業界全体に似たような不正行為が蔓延しているのでは?」と感じさせる不祥事となっています。
ネクステージの事件の概要
保険の不正契約と、保証会社への不正申請などの不正行為が行われていることが確認されています。
時系列
日付 | 出来事 |
2020年10月 | 社員が、友人から名義を借りて、下取りした車を対象に任意保険の契約を捏造 |
2020年3月 | パンクしたタイヤを無料で交換する「タイヤ保証」サービスで、社員がタイヤの横にボルトを置いて写真を撮り、パンクに見せかけて保証会社に申請 |
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株式会社ネクステージについて
創業からの歩み
1998年12月に設立し、東海地方を中心に国内各地で自動車販売店舗を運営する。SUV車、軽自動車、セダン、スポーツ車など、扱う車種を特化する店舗もある。
2013年7月にマザーズへ上場したのち、2014年9月に東証一部へ変更し、12月に名証一部へ上場する。
2014年6月にAmazonで中古車販売を開始する。
会社概要
会社名 | 株式会社ネクステージ |
会社HP | https://www.nextage.jp/ |
設立年月 | 1998年12月25日 |
本社所在地 | 〒460-0004 愛知県名古屋市中区新栄町一丁目1番地 明治安田生命名古屋ビル14階 |
事業内容 |
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ネクステージの事件の課題・要点
構造や要因がビッグモーター事件と非常に酷似している
保険会社への不正行為を働く動機になっていたという点で、ビッグモーターの不祥事と非常によく似ております。
下記でも触れますが、一般社員が保険会社にバレにくい不正行為を巧みにこなしていることからも、不正行為のノウハウが社内で共有されていた可能性を疑われ、社長がビッグモーター社の元常務でもあることが関係しているのでは?という疑いの目が向けられています。
保険事業の統括役員が死亡
ネクステージ社による保険金の不正請求疑惑があがった2023年9月の上旬に、同社で保険事業を統括していた担当役員が急死していることが判明しています。
死因が明確ではありませんし、公表されることはなさそうではありますが、このタイミングで保険事業の担当役員が急に亡くなるということに違和感を感じる方は少なくないようです。
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中古車販売業界1位 #ビッグモーター の不祥事を受け、業界2位の #ネクステージ が「ウチはビッグモーターと違ってクリーンです(要約)」とリリースを出す
↓
文春「ネクステージも真っ黒です。なんならビッグモーターよりヤバいかもです」
↓
文春砲を受けネクステージ株価暴落&役員が謎の死を遂げる pic.twitter.com/dUfGqKUTDK— 滝沢ガレソ🌟 (@takigare3) September 6, 2023
元社長の浜脇浩次氏の経歴との関係性
邪推の域を出ませんが、元社長の浜脇氏がビッグモーター社の常務取締役であったことから、保険会社との関係性を悪用する手口はそのころからやっていたのでは?ビッグモーター社で得た知恵をネクステージ社でも使っていたのでは?といった疑いもあります。
その真実が明らかになることはあるのかどうかはわかりませんが、時期が時期ですし、経歴が経歴ですから、どうしても疑いの目で見てしまう部分があります。
ただ、噂はあくまで噂です。
元社長 浜脇浩次について
氏名 | 浜脇浩次(はまわき こうじ) |
生年月日 | 1969年9月18日 |
出身地 | 山口県下関 |
経歴 | 1993年4月:(株)ビッグモーターに入社 2004年6月:(株)ビッグモーター 常務取締役に就任 2004年12月:(株)ビッグ周南 代表取締役社長に就任 2005年6月:(株)ハナテン 取締役に就任 2008年6月:(株)ビッグモーター 専務取締役営業本部長に就任 2016年2月:(株)ネクステージ 取締役副社長に就任 2017年3月:(株)NEW取締役社長に就任 2018年6月:ウェインズインポート(株)(現:株式会社Ai)取締役に就任(現任) 2022年2月:(株)ネクステージ 代表取締役社長執行役員に就任 2022年2月:(株)ASAP 代表取締役会長に就任 2022年2月:(株)ユニバースレンタカー 代表取締役会長に就任 |
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ネクステージの事件への対処・対応
過度なノルマによって保険契約の不正を働いたのではないか?という疑いがもたれてはいるが、押しつけ型の過度なノルマを設定してはいない。また、パワハラなども存在しないとしてプレスリリースにて回答されています。
回答の内容はおおむね、ネットの評判やマスコミ報道は間違いであり事実ではないものが多いとなっております。
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責任を取って社長が退任、会長が社長復帰
2023年9月11日付けで社長が辞任を発表しました。辞任は事件を踏まえた対応だと説明しています。
また、それを受けて会長の広田靖治氏が社長職に戻ることも発表されました。
最後に
ビッグモーター事件が強烈なインパクトがあったため、同じ業界で似た事件となると、「やはり!」「またか!」といったような反応が多く見られます。
ネクステージ社はメディアやネットで言われているようなことは概ね事実ではないとするスタンスではありますが、やはり次のような点は注意していくべきなのかな?と考えさせられました。
- 過度なノルマによる圧力が不正を生むかもしれない
ノルマそのものは企業が存続していく上で欠かせないものかもしれませんが、そのノルマが企業の内部をむしばむことがあります。
ネクステージさんはそれを理解しているためか、押しつけ型のノルマは設けないというポリシーを持たれているようです。
それでも不正が起きてしまうのですから難しい部分ではあります。
目標設定をどう立てて、どう動機づけていくのかを考える時期にきているのかもしれません。
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